レンタルサーバーもクラウドって、どっちも同じに見える。
何が違うの?
こんな悩みを解決します。
レンタルサーバーもクラウドも、どちらも「サーバー」です。
たとえば、WordPressはレンタルサーバーにも、クラウドにもインストールできます。
では、レンタルサーバーとクラウドは何が違っていて、どう使い分けるのがいいんでしょう?
この記事では、ITエンジニア歴20年の私が、レンタルサーバーとクラウドの違いを分かりやすく解説します。
どっちを契約したらいいか分からない人は、1分だけお付き合いください。
レンタルサーバーとクラウドの違い
レンタルサーバーとクラウドの違いは、簡単に言ってしまうと以下の通り。
- レンタルサーバー:一般の人向け
- クラウド:プロのエンジニア向け
つまり、レンタルサーバーとクラウドは、利用者層が違います。
では、機能面での違いは何かというと、以下の2つです。
- サーバー管理画面の違い
- 利用できるソフトウェアの違い
以下、詳しく説明していきますね。
サーバー管理画面の違い
レンタルサーバーもクラウドも、サーバーを操作する「管理画面」があります。
ただ、管理画面の機能は、レンタルサーバーとクラウドとで大きく違います。
- レンタルサーバー:ドメイン設定、アクセス制限、メールサーバーのアカウント追加、WordPressインストールなど多数
- クラウド:サーバーの再起動、スペック変更
レンタルサーバーの方が機能豊富ですね。
クラウドは、サーバーを再起動したり、スペック変更する機能しかありません。
以下はエックスサーバーというレンタルサーバーの管理画面です。40以上の機能があります。
以下は、GMOクラウドALTUSというクラウドの管理画面です。サイズ変更(スペック変更)や再起動といった最小限の機能しかありません。
クラウドは「SSHターミナル」という操作画面を使い、キーボードでコマンドを入力して、各種設定を変更します。
利用できるソフトウェアの違い
レンタルサーバーとクラウドでは、利用できるソフトウェアが違います。
- レンタルサーバー:ソフトウェアに制限あり
- クラウド:ソフトウェアに制限なし
まず、レンタルサーバーはWebサーバーや使えるプログラミング言語があらかじめ決まっています。レンタルサーバーはPHPやPythonが使えることが多いです。
一方、クラウドはソフトウェアを自由にインストールOKなので、Webサーバーやプログラミング言語に制限はありません。
以下、レンタルサーバーとクラウドで使えるWebサーバーやプログラミング言語を表にしました。
レンタルサーバー | クラウド |
---|---|
Apache(一部機能のみ) | Apache nginx lighttpd など自由 |
レンタルサーバー | クラウド |
---|---|
PHP Python Perl | PHP Python Perl Node.js Java Ruby など自由 |
このように、レンタルサーバーとクラウドは、自由度が違いますね。
「クラウド」は管理画面の機能が貧弱な代わりに、「レンタルサーバー」よりも出来ることが多いです。
レンタルサーバーのメリット
レンタルサーバーを使うメリットは2つあります。
レンタルサーバーのメリット
- スキルがなくても使える
- サーバー費用が安い
スキルがなくても使える
レンタルサーバーは、サーバー管理画面でポチポチ操作するだけなので、誰でも使えます。
例えばエックスサーバーは、ボタン1つ押すだけでWordPressがインストールできる「WordPress簡単インストール機能」があります。
これなら、サーバーのスキルがなくても使えますよね。
サーバー費用が安い
レンタルサーバーの料金は、月1,000円前後と安いです。
なぜなら、1台の高性能サーバーを多数の契約者でシェアして使っているから。
また、決められたソフトウェアをみんなで共有して使っている関係で、クラウドに比べて無駄が少ない。
なので、クラウドに比べてサーバー費用は安いんです。
レンタルサーバーのデメリット
レンタルサーバーを使うデメリットは2つあります。
レンタルサーバーのデメリット
- ソフトウェアを自由にインストールできない
- 突発的なアクセスに弱い
ソフトウェアを自由にインストールできない
レンタルサーバーでは使えるソフトウェアが決められています。
Node.jsやJava、Tomcatをインストールしたりできません。
ちなみに、主なレンタルサーバーでは次の機能が使えます。
- Webサーバー(PHP、Python、Perl)
- データベース(MySQL)
- メールサーバー
- DNSサーバー
上記以外はレンタルサーバーでは使えない、と考えた方がいいです。
WordPressやEC-CUBEは「PHP」で出来ているので、レンタルサーバーでも使えますよ。
突発的なアクセスに弱い
レンタルサーバーは、突発的なアクセスへの対応は難しいです。
なぜなら、レンタルサーバーは1台構成が基本だから。
通常、テレビ番組やSNSからの爆発的なアクセスに耐えるには、サーバーを複数台準備します。
ですが、レンタルサーバーではサーバーを2台構成にしたりできないので、負荷への備えが限られてきます。
wpX Speed はレンタルサーバーですが、急なアクセス増にも対応できるオートスケール機能があります。
クラウドのメリット
クラウドを使うメリットは2つあります。
クラウドのメリット
- ソフトウェアを自由にインストールできる
- 複数サーバーのシステムが構築できる
ソフトウェアを自由にインストールできる
クラウドの場合は、サーバーの管理者権限(root権限)が付与されています。
なので、Node.jsやTomcatなど、自分で好きなソフトウェアをインストールできます。
複数サーバーのシステムが構築できる
クラウドの場合、複数サーバーのシステム構築に対応しています。
たとえば、ロードバランサを使い、Webサーバーを2台構成にできます。
また、クラウドは内部ネットワークに対応しています。
Webサーバー2台+アプリケーションサーバー3台+データベース1台のような、3層システムが作れます。
クラウドのデメリット
クラウドを使うデメリットは2つあります。
クラウドのデメリット
- ITエンジニア並みのスキルが必須
- サーバー費用が高い
ITエンジニアのスキルが必須
クラウドのサーバー管理は、「SSHターミナル」のコマンド操作です。
Linuxサーバーの運用スキルがなければ、何もできなくて終わってしまいます。
経験がない人は、まず本やスクールで知識をつけましょう。
サーバー費用が高い
クラウドのサーバー費用はピンキリですが、月1,000円~5,000円くらい。
同じ性能のサーバーで比べても、クラウドはレンタルサーバーの3倍~5倍くらいの価格です。
また、サーバー費用だけでなく、ネットワーク通信量・ストレージ費用など、追加で課金されることもあります。
レンタルサーバーが向いている人
いろいろ書きましたが、結局、レンタルサーバーが向いている人は次の通りです。
- ブログを公開したい人
- ホームページを公開したい人
- ITエンジニアではない人
ブログを公開したい人
レンタルサーバーは、WordPressが簡単にインストールできます。
ブログ用途なら、レンタルサーバーがおススメです。
ホームページを公開したい人
ホームページビルダーでHTMLを作ってホームページを公開したいなら、レンタルサーバーをお勧めします。
ファイルのアップロードも、ブラウザで簡単にできます。
ITエンジニアではない人
Linuxを触ったことがない人は、レンタルサーバーをお勧めします。
ITエンジニアのスキルがなくても、サーバーが使えるからです。
クラウドが向いている人
次に、クラウドが向いている人は次の通りです。
- Node.jsやJavaを使いたい人
- サーバー構築のスキルがある人
- 突発的なアクセス増に対応したい人
Node.jsやJavaを使いたい人
クラウドは、どんなプログラミング言語でもインストールして使えます。
レンタルサーバーは基本、PHPやPythonしか使えません。
それ以外のプログラミング言語を使うなら、クラウドの一択です。
サーバー構築のスキルがある人
クラウドは「SSHコンソール」を使い、コマンド入力でサーバーを管理します。
Apacheの設定や、データベース構築の経験がある人なら、クラウドも使いこなせるでしょう。
突発的なアクセス増に対応したい人
クラウドなら、ロードバランサを使ってサーバーを複数台にできます。
突発的な高負荷に対応できるのはクラウドのメリットです。
まとめ:ブログやホームページならレンタルサーバー、プロならクラウド
以上、レンタルサーバーとクラウドの違いを解説しました。
結論として、個人がブログで情報発信に使うなら「レンタルサーバー」です。
エックスサーバーなどの大手なら安心。
一方、プロのエンジニアが使うなら「クラウド」です。
【GMOクラウド ALTUS】 がメジャーです。
参考にどうぞ。