ConoHa WINGもConoHa VPSって、どっちも同じに見える。
何が違うの?
こんな悩みを解決します。
ConoHa WINGもConoHa VPSも、どちらもネット上にWebサイトを公開するための「サーバー」です。
たとえば、ConoHa WINGでもConoHa VPSでも、ブログ(WordPress)が使えます。
では、ConoHa WINGとConoHa VPSは何が違っていて、どう使い分けるのがいいんでしょう?
この記事では、ITエンジニア歴20年の私が、ConoHa WINGとConoHa VPSの違いを分かりやすく解説します。
どっちを契約したらいいか分からない人は、1分だけお付き合いください。
ConoHa WINGとConoHa VPSの違い
まずは、ConoHa WINGとConoHa VPSの違いをざっと見てみましょう。
ConoHa WING | ConoHa VPS | |
---|---|---|
サービス | レンタルサーバー | VPS |
利用者層 | 初心者向け | ITエンジニア向け |
管理画面の機能 | 多い | 少ない |
サーバー管理の難易度 | 低い | 高い |
サーバー管理の自由度 | 低い | 高い |
ソフトウェアの利用 | 利用制限あり | 利用制限なし |
WordPressの利用 | 〇 | 〇 |
月額料金 | 941円~ ※8GBプラン 1年契約 | 3,591円 ※8GBプラン 1年契約 |
ConoHa WINGは初心者向け、ConoHa VPSはプロのエンジニア向けと言えます。
では、ConoHa WINGとConoHa VPSの違いについて、深堀りしていきましょう。
ConoHa WINGとConoHa VPSのサービスの違い
ConoHa WINGは「レンタルサーバー」とConoHa VPSは「VPS」と呼ばれるサービスです。
- ConoHa WING:レンタルサーバー
- ConoHa VPS :VPS(Virtual Private Server)
レンタルサーバーは、複数のユーザーが高性能なサーバーを共有して利用するサーバーのことです。
レンタルサーバーはサーバーの基本的な設定が事前に準備されているので、手軽にWebサイトを立ち上げられます。
一方、VPSは1台の物理的なサーバーを複数の仮想サーバーに分割し、それぞれのユーザーに専用のリソース(CPU・メモリ・ストレージ)を提供するサービスです。
ただしVPSは、OSのインストールとネットワーク設定がされた状態で提供されるので、Webサイトを立ち上げるにはさまざまな設定が必要です。
ConoHa WINGとConoHa VPSの利用者層の違い
次に、ConoHa WINGとConoHa VPSの利用者層の違いを見ていきましょう。
- ConoHa WING:初心者向け(個人向け)
- ConoHa VPS :プロのエンジニア向け(企業向け)
ConoHa WINGは管理画面の機能がとても充実しています(後述)。
なので「Webサイトを公開するのが初めて」という個人でも、比較的かんたんにブログを立ち上げられます。
一方、ConoHa VPSはサーバーをカスタマイズする自由度が高いので、ITエンジニア向けです。
会社のWebサイトやWebサービス(ECサイトなど)のサーバーとして利用されています。
ConoHa WINGとConoHa VPSのサーバー管理画面の違い
ConoHa WINGもConoHa VPSも、サーバーを操作する「管理画面」があります。
ただ、管理画面の機能は、ConoHa WINGとConoHa VPSとで大きく違います。
ConoHa WINGの方が多機能で、ConoHa VPSには基本的な機能しかありません。
- ConoHa WING:ドメイン設定、アクセス制限、メールサーバーのアカウント追加、WordPressインストール、SSL設定など
- ConoHa VPS :サーバーの再起動、スペック変更
ConoHa WINGの管理画面
ConoHa WINGの管理画面は初心者に使いやすくできています。
ConoHa WINGの実際の管理画面(サイト設定画面)を見てみましょう。
サイト設定画面では、WordPressのインストールや、サイト高速化などの機能があります。
このほか、ConoHa WINGは30以上の機能が用意されています。
WordPressやメール設定・データベースなど、機能が豊富ですね。
ConoHa VPSの管理画面
次は、ConoHa VPSの管理画面を見てみましょう。
ConoHa VPSの管理画面には、サーバー再起動やディスク容量の追加、IPアドレスの管理といった、基本的な機能しかありません。
WordPressをインストールする機能もありません。
ConoHa VPSにWordPressをインストールするには、「コンソール」というサーバー操作画面を使って、コマンドを入力する必要があります。
ConoHa VPSでは「コンソール」という操作画面を使い、キーボードでコマンドを入力して、各種設定を変更します。
ConoHa WINGとConoHa VPSの利用できるソフトウェアの違い
ConoHa WINGとConoHa VPSでは、利用できるソフトウェアが違います。
- ConoHa WING:ソフトウェアに制限あり
- ConoHa VPS :ソフトウェアに制限なし
まず、ConoHa WINGはWebサーバーや使えるプログラミング言語があらかじめ決まっています。
一方、ConoHa VPSはソフトウェアを自由にインストールOKなので、Webサーバーやプログラミング言語に制限はありません。
以下、ConoHa WINGとConoHa VPSで使えるWebサーバーやプログラミング言語を表にしました。
ConoHa WING | ConoHa VPS | |
---|---|---|
OS | Cloud Linux | CentOS Oracle Linux Ubuntu Debian など |
Webサーバー | Apache(一部機能のみ) | Apache nginx lighttpd など自由 |
プログラミング 言語 | PHP Python Perl Ruby | PHP Python Perl Ruby Node.js Java など自由 |
データベース | MySQK | MySQL MariaDB PostgreSQL Oracle など自由 |
このように、使いたいOSやWebサーバー・プログラミング言語が決まっているときは、ConoHa VPS がおススメです。
特にこだわりがない場合は、ConoHa WINGで十分。
ConoHa WINGとConoHa VPSは、自由度が違いますね。
ConoHa WINGのメリット
ConoHa WINGを使うメリットは3つあります。
ConoHa WINGのメリット
- サーバー管理のスキルが不要
- サーバー費用が安い
- サーバー運用が不要
ConoHa WINGのメリット① サーバー管理のスキルが不要
ConoHa WINGは、サーバー管理画面でポチポチ操作するだけなので、誰でも使えます。
「WordPressインストール機能」あるので、5つの項目を入力するだけでインストール完了です。
これなら、サーバーが初めての人でも使えそうですよね。
ConoHa WINGのメリット② サーバー費用が安い
サーバーの料金は、ConoHa VPSよりConoHa WINGが安いです。
まず、ConoHa WINGの料金は月1,452円~です(時間課金の場合)。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
月額料金 | 1,452円 | 2,904円 | 5,808円 |
一方、ConoHa VPSの料金は月751円~です(時間課金の場合)。
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 751円 | 1,065円 | 2,033円 | 3,969円 | 8,083円 |
価格帯で比較すると、ConoHa VPSが安そうに見えますよね。
それでは、同じくらいのサーバースペックで月額料金を比較してみましょう。
ConoHa WING | ConoHa VPS | |
---|---|---|
プラン | スタンダードプラン | 8GBプラン |
月額料金(1年契約) | 941円 | 3,591円 |
月額料金(時間課金) | 1,452円 | 8,083円 |
メモリ | 8GB | 8GB |
CPU | 6コア | 6コア |
ディスク容量 | 300GB | 100GB |
サーバースペックを揃えて比較すると、ConoHa WINGのほうが断然安いですね!
ConoHa WINGが安いのは、1台の高性能サーバーを多数の契約者でシェアして使っているから。
また、決められたソフトウェアをみんなで共有して使っている関係で、ConoHa VPSに比べて無駄が少ない。
なので、ConoHa VPSに比べてサーバー費用は安いんです。
ConoHa WINGのメリット③ サーバー運用が不要
サーバーは一度準備したら終わりではなく、定期的なバージョンアップが必要です。
ConoHa WINGでは、OSやWebサーバーなどの基本的なソフトウェアのバージョンアップに対応しています。
ConoHa VPSでは、OSやWebサーバーのバージョンアップを自分自身で行わなければなりません。
ConoHa WINGのデメリット
ConoHa WINGを使うデメリットは2つあります。
ConoHa WINGのデメリット
- ソフトウェアを自由にインストールできない
- 突発的なアクセスに弱い
ConoHa WINGのデメリット① ソフトウェアを自由にインストールできない
ConoHa WINGでは使えるソフトウェアが決められています。
Node.jsやJava、Tomcatをインストールしたりできません。
ちなみに、主なConoHa WINGでは次の機能が使えます。
- Webサーバー(PHP、Python、Perl、Ruby)
- データベース(MySQL)
- メールサーバー
- DNSサーバー
上記以外はConoHa WINGでは使えない、と考えた方がいいです。
WordPressやEC-CUBEは「PHP」で出来ているので、ConoHa WINGでも使えますよ。
ConoHa WINGのデメリット② 突発的なアクセスに弱い
ConoHa WINGは、突発的なアクセスへの対応は難しいです。
なぜなら、ConoHa WINGは複数のユーザーが共有して利用するサーバーだから。
通常、SNS等からの突発的なアクセスに耐えるには、複数台のサーバーをあらかじめ準備しなければなりません。
ですが、ConoHa WINGではサーバーを2台構成にしたり、柔軟にスペック変更できないので、高負荷への備えが限られてきます。
ConoHa VPSのメリット
ConoHa VPSを使うメリットは2つあります。
ConoHa VPSのメリット
- ソフトウェアを自由にインストールできる
- 複数のサーバーを使ったシステムが構築できる
ConoHa VPSのメリット① ソフトウェアを自由にインストールできる
ConoHa VPSの場合は、サーバーの管理者権限(root権限)が付与されています。
なので、Node.jsやTomcatなど、自分で好きなソフトウェアをインストールできます。
ConoHa VPSのメリット② 複数のサーバーを使ったシステムが構築できる
ConoHa VPSの場合、複数サーバーのシステム構築に対応しています。
たとえば、ロードバランサを使い、Webサーバーを2台構成にできます。
また、ConoHa VPSは内部ネットワークに対応しています。
Webサーバー2台+アプリケーションサーバー3台+データベース1台のような、3層システムが作れます。
ConoHa VPSのデメリット
ConoHa VPSを使うデメリットは2つあります。
ConoHa VPSのデメリット
- ITエンジニア並みのスキルが必須
- サーバー費用が高い
ConoHa VPSのデメリット① ITエンジニア並みのスキルが必須
ConoHa VPSのサーバー管理は、「SSHターミナル」のコマンド操作です。
Linuxサーバーの運用スキルがなければ、何もできなくて終わってしまいます。
経験がない人は、まず本やスクールで知識をつけましょう。
ConoHa VPSのデメリット② サーバー費用が高い
ConoHa VPSのサーバー費用はスペックや契約期間によって異なりますが、月1,000円~5,000円くらいです。
同じ性能のサーバーで比べても、ConoHa VPSはConoHa WINGの3倍~5倍くらいと高額です。
また、サーバー費用だけでなく、ネットワーク通信量・ストレージ費用など、追加で課金されることもあります。
ConoHa WINGが向いている人
いろいろ書きましたが、結局、ConoHa WINGが向いている人は次の通りです。
- ブログを公開したい人
- ホームページを公開したい人
- ITエンジニアではない人
ブログを公開したい人
ConoHa WINGは、WordPressが簡単にインストールできます。
ブログでアフィリエイトしたいなら、ConoHa WINGがおススメです。
ホームページを公開したい人
ホームページビルダーでHTMLを作ってホームページを公開したいなら、ConoHa WINGをお勧めします。
ファイルのアップロードも、ブラウザで簡単にできます。
ITエンジニアではない人
Linuxを触ったことがない人やよくわからない人は、ConoHa WINGをお勧めします。
ITエンジニアのスキルがなくても、サーバーが使えるからです。
ConoHa VPSが向いている人
次に、ConoHa VPSが向いている人は次の通りです。
- Node.jsやJavaを使いたい人
- サーバー構築のスキルがある人
- 突発的なアクセス増に対応したい人
Node.jsやJavaを使いたい人
ConoHa VPSは、どんなプログラミング言語でもインストールして使えます。
ConoHa WINGは基本、PHPやPythonしか使えません。
それ以外のプログラミング言語を使うなら、ConoHa VPSの一択です。
サーバー構築のスキルがある人
ConoHa VPSは「SSHコンソール」を使い、コマンド入力でサーバーを管理します。
Apacheの設定や、データベース構築の経験がある人なら、ConoHa VPSも使いこなせるでしょう。
突発的なアクセス増に対応したい人
ConoHa VPSなら、ロードバランサを使ってサーバーを複数台にできます。
突発的な高負荷に対応できるのはConoHa VPSのメリットです。
まとめ:ブログやホームページならConoHa WING、プロならConoHa VPS
以上、ConoHa WINGとConoHa VPSの違いを解説しました。
結論として、個人がブログで情報発信に使うなら「ConoHa WING」です。
一方、プロのエンジニアが使うなら「ConoHa VPS」です。
参考にどうぞ。